Lady Nelson について

この船はカッターと呼ばれる船種に該当するのですが、フランスのラガーとよく並べて論じられることが多い英国特有の船種として有名です。非常に有名な割に意外ですが、もともとはフォルクストン港(英国南東部)周辺の密輸業者達によって開発された船種です。カッターが優れた船であることを海軍省が把握するのに時間は、さしてかからず、18世紀中期頃から密輸業者達に対抗するためにカッターを採用します。カッターは、船のサイズに比べ、かなり大きな帆が使われ、船首と船尾の両方にかけてのマストには、数個の横帆を使用するなど、速度を考慮した設計がなされています。そのため速度を活用した偵察や報知任務には、ずば抜けていたと言われていました。その反面、喫水が深いために海岸近くには不向きであるともいわれます。このクラスのカッターは平均的には、キール(竜骨)の長さ約16m、幅約5.3m、重量約60トンにて、将校と船員の定員約30名を運搬し、軍備は、手すり板上に10本の3ポンド台車砲、12本の旋回砲を持っていることが多く、レディネルソンは18世紀後期から19世紀前期にかけての、このような平均的な英国軍艦付のカッターを模型化したものです。

Lady Nelson

製作動画

動画では、苦労なく組付けられていきますが、現実は、メリハリをつけたりコツが必要だったりします。
たとえば、最初のフレームやキールに該当するパーツを組み立てるだけでも、単に組めば良いというものでなく、フレームとキールが確実に直行して組付けられていかなければなりません。外板を貼ってから、特定の2点が垂直、水平でないと気づいても、どちらをどれだけ修正すればいいのか考えるのは非常に困難で、さらに船の流線形や曲線が仇となり、それらを計測するのは非常に困難です。

初めて購入なさるときには、お店によっては、DVDや資料が添付されていますので、それらを参考にして慎重に製作プランを練るようにして下さい。どの帆船模型でも、それらは必須の作業です。普通に「段取り8分」といいますが、大工さんの諺にもそういう意味の言葉があります。言葉自体は忘れてしまいましたが、計測や段取りが一番大切で工作は二番だと言います。

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